長編第一作目にして、東京国際映画祭で監督賞を受賞。更に、昨年『カメラを止めるな!』が受賞し話題となったウディネ・ファーイースト映画祭で新人監督作品賞受賞の連続快挙!
勢いが止まらない映画『メランコリック』の制作秘話を聞きました。
名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。
そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。
そして同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり...。
変幻自在な展開とサプライズ満載のストーリー。 日々を憂鬱と感じるすべての人に送る、 巻き込まれ型サスペンス・コメディの誕生!
(C)One Goose
本作は主人公・和彦を演じた俳優の皆川暢二の呼びかけにより、アメリカで映画制作を学んだあとIT業界でサラリーマンをしていた田中征爾と、俳優の傍らタクティカル・アーツ・ディレクターとしても活躍する磯崎義知という同い年3人で立ち上げた映画製作ユニットOne Goose( ワングース )による映画製作第一弾作品である。彗星のごとく現れた才能が日本映画界に新たな旋風を巻き起こす。
今回は、プロデューサー・俳優の皆川暢二さん、監督・脚本の田中征爾さん、俳優の磯崎義知さんの3名からなる映画製作チーム「One Goose」のみなさんに、映画『メランコリック』ができるまでのお話を伺いました。
―――今回の作品のキーパーソンである、主人公「鍋岡和彦」に込められた想いについて教えてください。
田中監督:主人公はほとんど僕自身の劣等感や、僕の内面にあるうじうじした部分の投影です。
劇中、主人公が同窓会でみじめな思いをするシーンがあるんですけど、僕の実体験に近いですね。
僕の通っていた高校は、東大などの名門大学に進学する人が多く卒業後も華々しく活躍している人たちばかり。そんな中、同窓会で「田中くん最近何してるの」って聞かれたときに、「売れない脚本家だよ」としか答えることしかできなかったんですよ。映画の和彦と同じように劣等感を持ちましたね。
―――主人公は田中監督の投影のようなキャラクターだということですが、主人公を演じられた皆川さんは、ご自身と役の間に通ずる点はありますか?
皆川さん:和彦が自分自身に悶々としながら「まだなにかやれるんだ」と思いながら生きている人間である点ですね。もともと僕自身がこの映画を作るきっかけにもなった、「自分が受け身だと気付き、だからなにかアクションを起こしたい」と考えたところが共通しているんじゃないかな。
―――『メランコリック』というタイトルから「どこか重々しい雰囲気の映画なのかな?」と思っていたのですが、作品を鑑賞してみるとじんわりと暖かさが広がるようなストーリーに驚きました。『メランコリック』というタイトルをつけた理由について教えてください。
田中監督:メランコリックの意味は“憂鬱“なんですが、音としての響きは僕には可愛らしく聞こえます。それがこの映画を言い表していると思ったんですよね。
これは僕の人生観にも通じます。
本質的には誰だって死ぬし、憂鬱なものかもしれないけど、生きるに値する、つまりかわいいモーメントってどこかにあると思っていて。
そういう僕の人生観と、映画の雰囲気がうまく言い表せている言葉だなと思ったので、『メランコリック』というタイトルにしました。
―――この映画は、観ている人にとって「人生」についてを深く考えさせられるようなストーリーだと感じました。One Gooseのみなさんの「人生の価値」について、読者や若者に伝えたいことがあれば教えてください。
田中監督:幸・不幸という二元論で人生を捉えると、一番不幸になりやすいって僕は思うんです。だからこそ、幸・不幸じゃない捉え方で、どうやって人生を肯定的に捉えるかを表現することが、映画や音楽がやらなくてはならない役割だと思うんですよね。
なので、「生きる」ということにどういう風に価値を見出すか、という問いの一つの回答として、この映画を観てほしいな、と思います。
皆川さん:人生って、成功している人やそうでない人、それぞれいろいろな人生があると思うんですけど、やっぱり「隣の芝生は青く見える」というか、どこかで他人のことを羨ましいと思ってしまうことってあると思うんですよね。
でも、周りの人に気を取られずに自分の生活を冷静に見返してみると、人生を楽しめる部分って実はいっぱいある。そこに気づくことが大事だと思うんです。
劇中で、和彦も「あ、自分のいるところってあったかい場所なんだ」って気づくシーンがあるんですけど、まさにそういうことなんですよね。
自分の人生を楽しめる要素っていっぱいあるんじゃないかって、感じてもらえたら嬉しいです。
磯崎さん:生きている中で「どういう人が幸せなのか」って考えたとき、嫌だった時のことよりも良かった時のことを思い出すことができる人、それを大事にしている人が幸せなんじゃないかって思うんです。
一方、日本人の幸福度が低いのは、他人と自分を比較してしまっているからじゃないかと。
この映画が、他人と自分を比較せずに自分の人生の中で良かった時や楽しかった時を思い出すきっかけになるといいなと思います。
―――プロデューサーをやりながら俳優もこなすとなると、たくさん苦労される点もあったかと思います。この作品を作り上げていく中で何か苦労されたことがありましたら教えてください。
皆川さん:長編映画となると、キャストやスタッフ、ロケ地関係の方など、総勢100名近くの方が関わります。ここまで多くの方と何かをする経験は初めてだったので、難しかったですね。
やらなきゃいけないことがたくさん詰まっていると、精神的に追い込まれるんですが、この状況を”成長の機会”と捉えて冷静に行動することを意識していました。
―――田中監督も、平日は別の会社でお仕事をしながらこの作品の監督に携わったとお聞きしています。あらゆることを両立させながら、この作品を作り上げていく中で大変だったことを教えてください。
田中監督:今回のキャストやスタッフは「お金」が目当てではなく、皆川くんとの関係性や熱意に押されて集まって下さった方たちなんです。
そういう「気持ち」で集まる関係性って、実は意外と脆いんですよね。一人でも「この映画つまんなそうだな」って感じたら一気に崩れてしまう。
なので、”「この作品は絶対に面白くなる」と全員が思える状態”を最後までキープすることを一番大事にして動きました。
―――劇中、本格的なアクションシーンがとても印象的でした。磯崎さんは松本役として出演されていながらアクションシーンの指揮も取られていたそうですが、どのようなことが大変でしたか?
磯崎さん:長編映画で本格的なアクションのシーンを作ること自体が初めての経験だったので大変でした。先輩の俳優さんに指導をすることは緊張しましたし、限られた時間の中で怪我がないように終わらせる点は一番気を付けた部分ですね。
他に大変だったことといえば……6回ブリーチしたこと(笑)。髪の毛が伸びてくると部分的にブリーチをしていたので、もしかしたら劇中、根元に黒い部分があるかもしれません。(笑)
―――One Gooseのみなさんは、映画外での活動もこなしながらこの作品を作り上げたとお聞きしました。改めて、『メランコリック』ができるまでの経緯について教えてください。
皆川さん:2017年の冬、俳優として活動をしている中で、「映画を作りたい」という気持ちが芽生えました。
「監督・脚本」で真っ先に頭に思い浮かんだのが田中監督です。声を掛けたらすぐに「やろう」と合意してくれた。
―――映画を撮ろう!と思い立った時に、真っ先に田中監督に声をかけた理由などはありますか?
田中監督とは8年前、23歳くらいのときに、小劇場の演出助手の仕事を通じて知り合いました。
そのとき僕は、先輩に意見をあまり言えなかったんですけど、田中監督は冷静に自分の意見や思ったことを発言していた。
その時の彼がずっと頭に残っていて、彼の「他の人にはない彼の切り口」であったりとか、「彼の物の見方」に惹かれて声をかけました。
同じタイミングで、以前アクションのショートムービーの撮影で共演した俳優の磯崎くんにも声をかけました。パッと直感で。今回映画で「バディもの」をやりたい、って思ったときに真っ先に思い浮かんだのが彼でしたし。
3人で「One Goose」として映画製作をスタートしました。
田中監督:ややこしいんですが、僕と磯崎は大学時代からの友達です。僕とは全然関係のない現場で2人が共演していてびっくりしました。
皆川さん:そうですね、本当につながりがつながりを呼んで結成されたというか。僕は「この人だ!」と思ったらすぐ行動して動くタイプなので、声をかけてからのスピード感は早かったですね。
名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。
そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。
そして同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり...。
監督・脚本・編集:田中征爾
出演:皆川暢二、磯崎義知、吉田芽吹、羽田真、矢田政伸、浜谷康幸、ステファニー・アリエン、大久保裕太、山下ケイジ、新海ひろ子、蒲池貴範 他
撮影:髙橋亮
助監督:蒲池貴範
録音:宋晋瑞、でまちさき、衛藤なな
特殊メイク:新田目珠里麻
TAディレクター:磯崎義知
キャスティング協力:EIJI LEON LEE
スチール撮影:タカハシアキラ
製作:One Goose
製作補助:羽賀奈美、林彬、汐谷恭一
プロデューサー:皆川暢二
宣伝:近藤吉孝(One Goose)
ポスターデザイン:五十嵐明奈
後援:VーNECK、松の湯
宣伝協力:アップリンク
配給:アップリンク、神宮前プロデュース、One Goose
(C)One Goose
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